歯車

1856年、ペンシルバニア州フィラデルフィアで誕生したフレデリック・ウィンズロー・テイラーは、弁護士を目指してハーバード大学を受験。見事に合格しますが、目の病気にかかり、やむなく進学を諦めることになりました。
その後、テイラーは知人が経営するポンプ製造会社で働くことになり、1878年、4年の見習い期間を終えて、製鉄工場にエンジニアとして入社します。

工場でテイラーが目にしたのは、賃金体系に不満を持つ労働者たちが、経営側に対抗し、

組織だって怠ける姿(組織的怠業)

でした。
そこで、管理職となったテイラーは、属人的な仕事のやり方を排除し、労働者たちを組織的に管理するという概念を取り入れます。

テイラーは次の3つの内容を柱とする改革を断行しました。
・課業管理(一定時間でどれだけ生産できるか正確に測定し、ノルマとなる1日の作業量を設定する)
・作業の標準化(使用する工具や作業手順を細分化、単純化、標準化、見える化する)
・作業管理のために最適な組織形態の確立(組織を「現場」と「管理」の機能に分ける)

その結果、工場の生産性は向上し、「仕事の標準化」を実現させることができました。
このシステムは「科学的管理法」と名づけられ、高く評価されて、のちに「テイラー・システム」として世界に広まっていきました。
そして、このシステムで採用されている手順書が、現在のマニュアルの原型といわれています。