社長の本音

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利休七則と古典音楽の共通点とは~伝統文化も可視化が必要です

こんにちは。2.1の中山亮です。

「今後、文化を残していくにはどうすればよいのでしょうか?」

これは、先日お問い合わせをいただいた、とある伝統芸能の家元からの相談です。
お話によると、現在は一子相伝で芸を伝えており、教室運営もされているそうですが、テキストはなく、すべて口頭による指導。つまり可視化したものが一切ない状態のようです。

「やはり、そうだったのか」というのが僕の率直な感想ですが、このときは利休七則の話をさせていただきました。
『茶は服のよきように点て』から始まる、茶道のあるべき姿を書き残した有名な言葉です。
このように、昔からの文化で今でも多くの人に親しまれているものは、可視化されています。誰もが書いてあることを忠実に行うので、教わる人によって変わることもなく、昔のまま脈々と残っているのです。
マニュアルっぽく言えば、ノウハウが人に残るか、組織に残るか、ということ。

――という話を社内でしていたら、社員から「楽譜もそうですよね。ベートーベンの音楽を今の人が弾けるのは楽譜のおかげですよね」と返ってきました。
確かにそのとおり! ベートーベンの音楽が見て聴いて伝えられてきていたら、現代のベートーベンの音楽は、“ベートーベン流”という雰囲気だけになっていたことでしょう。彼が残したものとは別物になっていることが想像できます。
つまるところ、楽譜=マニュアル なのです。

伝統芸能に携わる方たちに限らず、「文化を残したい」って言う人、多いじゃないですか。
そのわりに可視化している人って、ほぼいない。皆さん、可視化できないって思っているようですが、可視化しようとしていないだけなんです。
「書けない」と「書かない」は違います。
基礎や心構えだけでも良いので、まず書き始めると、その方向に向かい始めるもの。
可視化するからこそ修正が必要なことに気づけるし、議論のたたき台にもなるのです。
文化を残したいと悩んでいるのなら、まずはフォーマットなど気にせず、書き起こしてみることです。今は写真や動画も撮れるので、昔よりも残しやすい環境にありますしね。

そうやって考えると、伝統芸能に限らず陶芸や工芸もそうですが、可視化しないまま廃れていった文化って、たくさんあるのでしょうね。
なんとも惜しいことだと思います。